どっちがいいの?ママ起業家が知っておくべき、起業と個人・法人のお話

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おはようございます!
ママ起業専門税理士のあさかわひろきです。

今日のテーマは、ママ起業の際、必ず選択しなければならない、
重要な悩み事の1つである、個人と法人のお話です。

「個人と法人、何が違うの?」
「法人の方が有利なの?でも、最初からはちょっと、、、」
こんな、ご質問をよく受けます。

今日は、起業にまつわる個人と法人の違いをしっかり学んで、
あなたのスタイルにあった選択をしてください!

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1. 起業する場合の事業スタイルは2つ

起業する場合、その事業を行うスタイルは、大雑把に言えば、2つしかありません。
それは、
・個人でやる
・法人でやる
です。

個人でやる

個人でやるという意味は、事業から発生するあらゆるものを、個人である「あなた」が受け止めるという事です。
事業の儲けも個人、責任も個人、契約も個人、税金も個人、全て個人に発生します。

当たり前と言えば、当たり前ですね。

個人で事業をやっていると、
「事業をしている自分」と「プライベートな自分」の1人2役を演じている感覚になります。
人によっては、「事業をしている自分」の時に「屋号」を使う方もいます。
芸能人も芸名なんかも屋号の1つです。

1人2役を演じるのは自由ですが、
「事業をしている自分」も「プライベートな自分」も、当然ですが同じ「あなた」です。
「事業をしている自分」の良い結果も悪い結果も、「プライベートな自分」に影響を与える事になります。

法人でやる

法人でやるという意味は、
事業のあらゆるものが、個人でなく法人に発生します。
法人でやる場合、あなたは、直接的に関係ないことになります。

「私、社長なんですけれど、、」
というご意見はごもっともです。
でも、法律上は法人が事業の当事者になります。
言い過ぎかもしれませんが、あなたは、法人の代わりに、代表者(社長)として、色々と動いているに過ぎません。

この違いは、お金の受け取り方にも、あらわれます。
個人の場合、売上金から経費等が引かれて残ったお金が儲けであり、そのまま、あなたの取り分になります。

法人の場合、この残ったお金である儲けは、あくまで法人の取り分です。
だから、あなたが会社のお金を、勝手に持ち出すのはダメです。

会社のお金をあなた個人のものにするには、
「給料をもらう」など、会社からお金をもらうちゃんとした理由をつけて、はじめて、法人のお金を持ち出して良い事になります。

このように、個人(社長であるあなた)と法人(自分の会社)は、実質上同じでも、法律上はまったく別の存在になります。

2. 個人のメリット

起業を個人ではじめるメリットは、いったい、どのようなものでしょうか?

起業手続が楽

起業するのに必要な手続って、何があるでしょうか?

行政官庁等への許認可が必要な事業を除けば、
税務署に開業届(必要によって青色申告届出)を出すくらいです。
その日から、あなたは個人事業主になります。

法人の場合は、法律上、会社を作る手続きが必要です。
そのためには、定款の作成や法務局への申請等々、手続きが必要です。

手続きの煩雑さという意味では、個人の方が、気軽にはじめられそうですね。

(「税金関係の開業手続」の詳細については、こちらを参照ください。)

撤退が楽

起業に、絶対成功するということはありません。
運も味方せず、泣く泣く事業をやめる決断をしなければならない場合もあります。

個人の場合、他に継続的な契約(雇用契約や賃貸借契約など)等していなければ、
税務署に廃業届を提出すれば、撤退終了です。

法人の場合、作ってしまった法人は、勝手には消えません。
法人を消滅させる手続(「解散・清算」)が必要なります。

この点も、個人の方が、気が楽ですね。

オペレーションが楽

先ほどもお話しましたように、法人と個人は別々の存在です。
なので、いかに社長とはいえ、法人で好き勝手にはできません。

その良い例が給料です。
法人の場合、儲かったからといって、勝手に法人のお金を取ってはいけません。
自分でお給料を設定し、決められたルールの中で、法人からお金をもうら事ができます。

一方、個人の場合、儲かって口座に残ったお金が、自動的に自分の取り分となります。つまり、個人の場合、自分のお給料という考えはありません。
お給料があるとしたら、自分以外(パートさん等)に払う場合です。

このようにオペレーションが楽な方がいい方にとっては、個人の方が良いです。

気が楽

先入観や印象の問題が強いですが、
法人 → おおごと
個人 → 手軽
というイメージがあります。

法人の場合、得体の知れないプレッシャーを感じる方も多いので、
その分、個人の方が、気が楽です。

経験上ですが、ママ起業で個人を選ぶ理由として、この気が楽というのが、一番大きいかもしれません。

3. 法人のメリット

さて、法人のメリットです。

個人のメリットは、
・手軽
・気が楽
といった気持ちの面が主な内容でした。

法人のメリットは、一言でいうと、
・実利がある
になります。

税金の優遇 その1(税率)

個人で起業していた方が、しばらくして法人に切り替える、
大きな理由の1つがこれです。

個人にかかる税金(「所得税」)は、「累進課税」といって、
儲かれば儲かるほど、税率が上がっていきます。
今だと、最低で5%、最高で45%です。
住民税10%を足すと最高で55%(=45%+10%)もかかります。

せっかく頑張って稼いだのに、半分以上も税金で持ってかれるとなると、
なんだか寂しい気持ちになりますね。

一方、法人は税率が基本一定です。
今だと、約34%(所得800万以上の場合)です。
つまり、
所得税率>法人税率
となるような状況であれば、税金は法人の方がお得という事になります。

税金の優遇 その2(赤字の活用)

青色申告であれば、過去の赤字と将来の黒字を相殺でき、税金がおさえられます。

この赤字には、期限があって、
個人だと3年間です。

ところが、法人だと、
なんと9年間(平成29年4月1日以後に開始する事業年度からは10年間)です。

ここでも、法人が圧倒的に有利ですね。

(「赤字の有効活用」の詳細については、こちらを参照ください。)

信用力

個人でも法人でも、実際に切り盛りするのは、あなたです。
なので、実態は変わりがないはずです。
法人と個人とで、サービスの内容が変わったりしませんよね。

しかし、対外的な信用力、特に法人企業と取引する時や、人を採用する時に、違いが出てきます。

法人企業との取引

例えば、エステサロンの場合、お客様は通常個人(一般消費者)です。
個人のお客様は、エステサロンが個人なのか法人なのか、特に気にしませんよね。
なので、お客様だけ考える場合、個人でも法人でも、どっちでも良い事になります。

一方、エステサロンが軌道に乗り、法人企業から従業員の福利厚生の一環として、
エステサロンの一括受託があった場合はどうなるでしょうか?

最終的な施術の対象者は従業員である個人になりますが、契約の相手は従業員を抱える法人企業です。
そして、その法人企業が誰かと契約をする場合、相手であるエステサロン業者は個人より法人の方が、一般的に決済がしやすいとされています。
これは、統計的に、個人より法人の方がしっかりしていて、安心できる可能性が高いという考えからきているものだと思います。

つまり、法人企業の契約の候補として、
・個人でエステサロンを経営するAさん
・法人で経営するBさん
がいたとします。
そして、両者のエステサービスの内容が全く同一だった場合、
法人企業はAさんでなく、Bさん(法人B)と契約する可能性が高い事になります。


人の採用

エステサロンは、やり方によっては、1人でも切り盛りできます。
ただ、お客さんの数が増え、事業を大きくなってしまった場合、一緒にやってくれる仲間を増やしていく必要が出てきます。

そこで、従業員を採用していく場合、個人と法人とでは、ここでも信用力の差が出てきます。

採用の候補者が、あなたを知っている方であれば、個人でも法人でも基本関係ありません。
あなたの事を信用して、一緒に仕事がしたいという方ですからね。

一方、候補者があなたを知らない場合。
ここでも、一般的に、個人経営より法人経営の方がしっかりしているというイメージがあります。
また、候補者本人がそれを気にしなくても、候補者のご両親がその辺を憂慮して、個人経営への就職を反対する事も少なくありません。

優秀な方を集めるのに、あなたの知人だけでは限界があります。
優秀な方を幅広く集めるには、個人より法人の方が有利と言えるでしょう。

4. あなたにあった個人と法人の考え方

以上のように、個人と法人のメリットをそれぞれお話してきました。

それでは、具体的にどのように考えれば良いのでしょうか。
エステサロン業界を例に、幾つかのタイプに応じて、お話していきたいと思います。

エステサロン業界の長い経験あり+スタートから全力で事業に打ち込みたいタイプ

長い間エステサロンで働いてきたので、現場をもちろん、お金の流れなど経営的なところも、なんとなく分かっている。そして、最初から全力でエステサロンをはじめたい。

そんなタイプの方は、最初から法人でやる事をお勧めします。

ある程度稼げるのであれば、税金面では、法人の方が有利です。
また、個人だったために、法人企業の得意先を逃したり、優秀な人材が入ってこない可能性を考えると、最初から法人でやった方が有利です。

個人のメリットである「手軽」、「気が楽」というのも、今回のタイプには合いませんね。

最初は慎重に行きたい+軌道に乗れば法人へ切り替えタイプ

エステの技術には自信があるけど、経営は初めてなので慎重に行きたい。

そんな方には無理して法人からはじめず、まずは、個人ではじめるのがお勧めです。

何よりも、個人なので法人より気楽に事業をはじめられます。
(もちろん、趣味でやるわけではないので、気楽すぎるのはダメです!)

そして軌道に乗ってきた頃に、法人のメリットを考えて、法人に切り替えるのも方法の1つです。

問題は、この「軌道に乗る」タイミングが、具体的にいつなのかという点です。
一番重要なのは、経営者であるあなたの直観(いけるという感覚)です。

ただ、その直観がわからない場合、以下のようなお金の面(税金)で判断するのも1つです。

利益で判断

先ほどもお話したとおり、個人より法人の方が、ある程度稼げる場合、税率の関係で有利です。

その採算ラインですが、一般的に、
利益で年間500万円から600万円です。
(売上ではありません。売上から諸経費を引いた金額です)

つまり、コンスタントに500万円から600万円の利益をあげられる見込みがたった時点が、個人から法人にするタイミングの1つと言えます。

消費税で判断

個人の場合、消費税の納税義務が発生するのは、
売上が1000万円を超えてから、2年後
です。

つまり、起業1年目に売上が1000万円を超えてしまったら、2年後である3年目から、消費税の納税義務者となってしまいます。

そこで、起業3年目に個人から法人へ切り替えることで、消費税がかかるタイミングを少し(通常2年)遅らせる事ができます。

(「消費税」の詳細については、こちらを参照ください。)

5. まとめ

いかがでしたでしょうか?

よく、個人でやるか、法人でやるかを判断する際、税金の有利不利だけで判断する方がいますが、お勧めしません

重要なのは、あなたのスタイルにあっているかどうかです。

例え、税金的に法人でやる方が有利でも、総合的に見て個人でやる方が良い方もいます。

最終的に決めるのはあなたですが、その判断の過程の中で、起業の専門家の意見を聞いてみる事もすごく重要なことですので、是非、相談してみてください。

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